さくらんぼは保存がきかない果物。その分、季節の訪れを告げる果物でもあります。
ハウス栽培などで前後することもありますが、国産品の路地物(路地栽培)は、6月〜7月上旬頃に出回ります。さくらんぼが市場に出回るのは、限られた期間なので、最近では、ネットの予約販売などを利用する方も増えているようです。
【収穫時期】
5月下旬〜6月上旬頃…早生種(日の出、セネカ、シャボレー、紅さやか)
6月中旬〜6月下旬頃…中生種(高砂、佐藤錦、山形美人)
7月上旬〜7月中旬頃…晩生種(ナポレオン、南陽、紅秀峰)
※輸入もの…5月〜8月(アメリカンチェリー)
出回り始めの5月の初夏の頃には、一粒数千円という値がついてニュースでとりあげられたりもします。底値とされるのは、6月中旬〜6月下旬にかけてと言われているので、時期を逃さないように要チェック!
品種によっても収穫時期がことなりますが、さくらんぼの王様とも言われる佐藤錦は、6月中旬から下旬にかけた頃が旬。大きくなってきたさくらんぼが、太陽の光をいっぱいに受けて真っ赤に色づくように、地面に銀色のシートをしいて、木の下からも光が当たるようにします。
けれども、6月頃は雨が降りやすい季節。
大きくなって色づき始める頃にさくらんぼが雨に当たると、雨に濡れたさくらんぼは実が割れてしまいます(裂果)。その原因としては、さくらんぼの実には、目に見えない小さな穴がたくさんあり、そこから果実に水が入り込んで膨らみ、実が割れてしまうのです。
もちろん、割れてしまったさくらんぼは商品にならないので、さくらんぼの木を覆うように雨よけのビニールの屋根をつくります。
※樹高があるさくらんぼの木を覆う屋根なので、その高さは約5m。そこに、特に命綱もなしに上り、作業するのですから、高所恐怖症の方では勤まりませんね…(^-^;
そのため、農家さんは常に天気予報や雲の流れを見て、雨に注意しつつ、さくらんぼに日光を当てて、大事に大事に育てていきます。
さくらんぼの出回り期間が短いのは、収穫が短期間に一気に行われるため。
さくらんぼの木は樹高があるので、一本あたり5,000個から10,000個の実がなりますが、その全てを昇降機やはしごを使って、人の手で行います。
一つ一つ色づきを見ながら、傷つけないようにそっともぎ取っていきます。そうして何本もあるさくらんぼの木から収穫するので、多くの作業要員も必要になってきます。
そうして、手間ヒマがかけられたものであるからこそ、さくらんぼは高級品といわれるのです。
ぜひ、真っ赤にキラキラと色づいたさくらんぼを頂く際には、この農家さんの努力に感謝して味わってくださいね(^-^)