山形県東根市の佐藤栄助さんが育成した品種です。ナポレオンと黄玉を交配して作られました。
平均は大きさは6グラム程度ですが、最近ではかなり大玉の生産も可能になりました。果肉は乳白色で、どちらかというとやや軟肉。
糖度は16〜18度で20度以上になることも珍しくありません。甘酸のとれた美味しい味は現在の品種の中で最高の部類に入ります。
【収穫時期】満開時期から数えて50〜55日後。山形では、6月中旬頃〜7月初旬。
1957年にナポレオンの自然交雑してそこから得た実生苗を育成したもので、1978年に登録されました。
1957年ナポレオンの自然交雑実性から選抜した品種。天童市で発見された着色の良い着色系南陽(イシドウオリジナル)等、種類が有ります。果実は短心臓形、大きさは8〜10グラムと大粒になりますが、赤みはそれほど強くありません。果肉は黄白色で肉質はかなり硬いです。
糖度は14〜16度で、酸は0.5〜0.6度と酸味が少なく感じられ食味は極めて良好です。
【収穫時期】満開後、55〜60日で収穫。7月初旬。
実の形は長心臓形で、平均した果重は大きさは6〜7グラム。果肉はクリーム色で、肉質は緻密で果汁が多く、生食や、加工に適しています。
糖度は13〜15度程度、酸味は0.8〜1度。完熟すると紅色になり、外観がとても美しくなります。この品種は完熟前は酸味が強いですが、完熟すると味が濃く、美味しくなります。暑い時の酸味は清涼感があります。
【収穫時期】開花後60〜65日。6月下旬〜7月上旬。
ナポレオン、佐藤錦、ジャポレー等の混植園から採取した種子の実生から選抜したもの。1988年に登録されました。
実の形は心臓形で、果実の大きさは平均で11〜12グラムと大玉品種に入ります。果肉は乳白色で核(種)の周囲の着色は無く、核はやや大きめ。
【収穫時期】6月中旬〜7月初旬。佐藤錦と重なるか少し遅い時期です。
さくらんぼは同じ品種だけでは果実がつきません。例えば、佐藤錦を実らせるためには、他の品種(ナポレオン等)を混植する ことなどが大切です。
例として、佐藤錦7割に対してナポレオン3割を植栽すること等です。
主な品種の交配和合性は次の通りです。
♀/♂ | 佐藤錦 | ナポレオン | 紅秀峰 | 紅さやか | 高 砂 | 南 陽 |
佐藤錦 | × | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
ナポレオン | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
紅秀峰 | ○ | ○ | ― | ○ | ○ | △ |
紅さやか | ○ | ○ | ○ | ― | × | ― |
高 砂 | ○ | ○ | ○ | × | × | ― |
南 陽 | × | ○ | ― | ○ | ○ | ― |
○和合性 △要検討 ×不和合性
※「佐藤錦」の実はすべて他の 品種の花粉がついてできたものですので、この種をまいて木を育てたとしても、「佐藤錦」と 同じものにはなりません(母親"めしべ"が「佐藤錦」、父親"花粉"が「他の品種」のかけあわせ のため、双方から半分ずつ遺伝子をもらっているため)。
このように「佐藤錦」は種から育てることはできません。「佐藤錦」の木をつくるためには、 サクラ属の台木(一般的にはアオバザクラ)に「佐藤錦」の枝を接ぎ木します。この接ぎ木に よってのみ、「佐藤錦」を増やすことができます。