1979年佐藤錦×セネカの交雑によって育成した品種で1991年品種登録されました。
短心臓形、大きさは平均して5〜7グラム程度。糖度は14〜19度で、酸はpH3.7程度です。
【収穫時期】満開後40日前後で6月上旬。極早生です。
山形県の天野高行さんが「佐藤錦」の枝変りとして発見した早生の着色系で、平成10年に山形県の(株)天香園が種苗法品種登録を獲得した新品種です。
果重、果形、食味は「佐藤錦」と同じですが、果皮の着色は「佐藤錦」より濃く、濃紅色に着色して外観が優れています。縫合線だけが着色しないため白い条が入ったように見えます。
【収穫時期】「佐藤錦」を引継いだ早生新品質で、佐藤錦より5日位早い。6月上旬頃。
1991年に品種登録。
扁円形で短心臓形をやや横に長くした形、大きさは8〜9グラムで大きい部類に入ります。果肉は黄白色で肉質は硬く、樹での日持ちはすばらしいです。糖度は20度前後で、酸はpH3.7〜4.0と少なく甘みが多いです。
【収穫時期】開花後60日。7月10日頃。
佐藤錦、ナポレオン、高砂等の混植園で発見された偶発実生です。1990年に登録。
実の形は短心臓形で、大きさは平均で10グラム程度と大玉品種です。果肉は硬く、果汁はやや多いです。甘味が多く、酸味は少ないです。
【収穫時期】晩生種で、7月10日頃。収穫数量は少なめ。
さくらんぼは同じ品種だけでは果実がつきません。例えば、佐藤錦を実らせるためには、他の品種(ナポレオン等)を混植する ことなどが大切です。
例として、佐藤錦7割に対してナポレオン3割を植栽すること等です。
主な品種の交配和合性は次の通りです。
♀/♂ | 佐藤錦 | ナポレオン | 紅秀峰 | 紅さやか | 高 砂 | 南 陽 |
佐藤錦 | × | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
ナポレオン | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
紅秀峰 | ○ | ○ | ― | ○ | ○ | △ |
紅さやか | ○ | ○ | ○ | ― | × | ― |
高 砂 | ○ | ○ | ○ | × | × | ― |
南 陽 | × | ○ | ― | ○ | ○ | ― |
○和合性 △要検討 ×不和合性
※「佐藤錦」の実はすべて他の 品種の花粉がついてできたものですので、この種をまいて木を育てたとしても、「佐藤錦」と 同じものにはなりません(母親"めしべ"が「佐藤錦」、父親"花粉"が「他の品種」のかけあわせ のため、双方から半分ずつ遺伝子をもらっているため)。
このように「佐藤錦」は種から育てることはできません。「佐藤錦」の木をつくるためには、 サクラ属の台木(一般的にはアオバザクラ)に「佐藤錦」の枝を接ぎ木します。この接ぎ木に よってのみ、「佐藤錦」を増やすことができます。